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Intimacy with yourself   アジャシャンティ的な何か。

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~Radio Adyashanti と オンラインコースの感想を中心に~

Losing it

失う(3)

 私は彼女に氷とタオルを運び、一緒に泣きました。お母さんのしたことはとてもひどいことで、あなたを傷つけてしまったことをとても悲しんでいる、と言いました。1時間くらいたって、むすめは私に抱きついて眠りました。
 私はひどい気分のままずっと眠れずに横たわっていました。なんというお休みなさいの時間だったことでしょう。

 こんな、ぞっとするような出来事であっても、たいていの場合は、次に同じようなことが起こったときにもっとうまくやり過ごせるための「何か」を学べるものです。
 私は自分に問いかけをすることから始めます。
 子どもが眠りに移行する過程を、もっとスムーズにしてあげる方法はなかっただろうか?
 ものごとを悪化させないために、自分の怒りやフラストレーションにどのように働きかけることができるだろう?

 子どもはひとりひとり、あまりにも違います。毎晩眠りにつくことが困難で、しかも起きるのもまた難しい子もいれば、お休みの子守歌やお話で十分な子もいます。
 時にはどんなことをしても、最悪の事態にむかっていくしかないような時もあります。その夜、暖炉のそばで読み聞かせをし、子どものベッドにすわって絵を描くことから始まったお休みの儀式は、みじめさの集合体のような結果に終わりました。もと違ったやり方があったでしょうか? 答えは明白なときもありますが、この状況では、まったくわかりませんでした。
ときどき、こうした夜の嵐は不可避で、それがそれ自身をまっとうし、気がすむまで吹き渡るのを待つしかないように思えることもあります。(つづく)
# by suna-tuki-mori | 2009-03-21 22:01
Losing it

失う(2)

 そのとき私は、もう一人の娘が私たちにむかって、「静かにして!」と叫んでいるのを聴きました。もう起きていたのです。いまやもっと腹がたってきました。私は私のベッドにいるほうの娘に、静かにしなさいと言いました。その子は騒ぎ続け、ベッドをどしんどしんとさせ、文句を言い続けましたので、最後には私のフラストレーションは限界に達し、どうしようもなくなって彼女のほっぺたをぴしゃりとたたきました。娘は泣き出し、さらに大きな声で叫びました。もう一人の娘もまた、静かにして、と叫んでいます。私は娘をたたいたことで、ひどい気分になっていました。娘は、私は児童虐待者だから、警察を呼ぶ、と言いました。私自身は、恥ずかしさと後悔で、からだが麻痺してしまったような状態でした。それはまるで広大な悪夢のまっただ中にいるような気持ちでした。近所中に響き渡るような声で20分ばかり泣いたり叫んだりしたあと、娘はお父さんを呼んで、と言いましたが、夫は家にはいませんでした。そしてとうとう、彼女はすすり泣きを始めました。「ママ~!」と言って・・・・・・(つづく)
# by suna-tuki-mori | 2009-03-19 23:27
Everyday Blessings(Jon & Myla Kabat-Zinn)
Part Ten Darkness and Light より

Losing it (失う)1

 どんな親でも、時にはそれを失います。かんしゃくを起こし、怒りに自分を見失うのです。心のバランスを失い、行くべき道を見失い、尊厳を失い、自尊心を失います。何がそれを引き起こしたにせよ、実際にそれが起こったときには、深い痛みをともないます。
 そのような出来事はだいたい、私たちがとても疲れていて、自分の限界に近い状態にあるときに起こります。強いフラストレーションの感情がわき起こり、その感情に気づくのが遅れたり、どうやってギアを切り替えることができるのかわからなくなったり、ときにはもうどうにでもなれと思ったりするのです。
 「失う」ことは、叫んだり、怒鳴ったり、意地悪なものの言い方をする、というような形をとったりします。ときには激昂して、(子どもを)たたいたりぶったりします。そしてその直後、私たちはひどい気分になり、自分自身に怒りを感じ、子どもにすまない気持ちになります。一瞬にして、悪夢のまっただなかに放り込まれるのです。
 私、マイラ・カバット・ジンが経験した例をあげましょう。

 私は娘たちの内の一人を、寝かしつけていました。その子はとても寝付きの悪い子で、8歳にしてとても夜更かしで、いつまででも起きていられるような子どもでした。私はといえば、夜10時過ぎたころにはひどい状態になり、ちゃんと機能しなくなるくらいなのです。私は我慢強いほうではありません。その子は、寝るときにはとても神経質になり、あらゆることを気にします。何か食べたがったり、ひとりにされることをいやがったり、明かりが暗すぎる、と言ったりします。彼女を寝かしつけるときには、しばらくそばにすわっています。もし私から見て、(この夜もそうだったのですが)寝付くまでにとても時間がかかりそうで、とても起きてつきあってはいられない、と感じたときには、いっしょにお母さんのベッドで寝よう、と提案します。でも、こうも言います。「でもお母さんのベッドに来るなら、ちゃんとシャツをはおるのよ。それがルールですからね。じゃないとお母さんはあなたが風邪をひかないように、一晩中毛布であなたをくるみ続けないといけないんだから」。娘はもちろんこのルールを心得ていますが、一応は抵抗します。しかし最後にはシャツを着ます。けれどもすぐにこのシャツに不満を言い始め、ベッドをけったりパンチしたりし始めます。私はもっと着心地のよいシャツを用意してやりましたが、そのころまでには娘はもっと怒っていて、私に悪態をついていました。彼女はまた、明かりをつけたままにしてほしい、と要求し、私は消しなさい、と言います。ここまでくるともう、意地の張り合いです。
 私はこのままでは、もうひとりの娘が起きてしまう、と感じました。私は、娘の計略にまんまとはまったように、コントロールされているように感じました。とても無力です。ものごとがある方向に流れていって、自分にはその流れをとても変えられない、と思いました。(つづく)
# by suna-tuki-mori | 2009-03-16 13:22
ティク・ナット・ハンの「あなたに平和が訪れる禅的生活のすすめ」のなかには、宝石のような言葉がちりばめられていました。

そのひとつ
「自分の感情を無理に抑えて、自分の痛みをないがしろにしているなら、それは自分に暴力を振るっているのと同じことです」
さらに
「自分の中に怒りや恐怖があったら、まずはそれを認めましょう。その感情に微笑みかけて、正しい名前で呼んでやりましょう。こんにちは、私の恐怖、私はあなたがそこにいるのを知っていますよ、と」

自分のなかのネガティブな感情は、できれば目をつぶって見なかったことにしたい。
自分はもっとよい人間、やさしい人間なんだと思いたい。
でもすこしだけ勇気を出して、そこに踏みとどまり、自分のこころのなかをのぞいてみると、そこには思いがけず幼い子どものような存在がいて、苦しみながら助けを求めているのかもしれません。

私の好きなスザンヌ・ヴェガの唄に、「女王と兵士」というナンバーがあります。
引退したひとりの兵士が、故郷へ帰る前に、それまで忠誠を尽くして戦ってきたまだ見ぬ女王に面会を求め、丘の上の城にやってきます。
勝ち戦よりはるかに負け戦の多いこの不毛な戦いは、いったいなんのためなのかとたずねるために。
城の奥深くの部屋で孤独に暮らしている女王は、思いがけず幼い少女の姿をしていました。
なぜ、と問いかける兵士に、女王は傲慢な態度で答えを拒否します。おまえなどには理解できるはずがない、と。
でも兵士にはわかるのです。幼い女王がほんとうは苦しんでいること、内側から体を切られるような痛みに、心が血を流していることを。
兵士は女王を窓のところに連れて行き、外の世界を見せます。
女王は自分がほんとうに求めているものを見ます。そして、同時にそれを手にすることをいかに恐れているかにも気がつきます。
そして兵士は女王に自分とともに外の世界へ出ていき、いっしょに生きてゆこうと言うのですが、、、、

自分がほんとうに求めていることを知るのは、とてもむずかしいです。
でも心の中の幼い女王さまに忍耐強く耳を傾けていけば、いつか戦いは終わるのかも。

こんにちは、私の恐怖。
こんにちは、私の怒り。
こんにちは、、、、、そこにいるの、知っているよ。
# by suna-tuki-mori | 2009-02-17 14:31 | マインドフルネス
 去年、2008年の3月に、オプラ・ウィンフリーさんのウェブセミナーで Eckhart Tolle と彼の著書"A NEW EARTH"に出会ってから、人生が大きく変わりはじめました。でも、彼の教えを日常生活で実践していくには具体的にどうしたらいいのか、いまひとつわからずにいました。
 そんなとき、コミュニケーションカウンセラーのMariさんを通して、ジョン・カバットジンさんの本を知りました。彼が広めているマインドフルネスの教えは、トールのしめす世界へ近づくための、詳しい地図のように思えました。
 
 カバットジンさんの本は、2冊邦訳されているようです。
 「マインドフルネスストレス低減法」 春木 豊訳、北大路書房
 「自分を見つめ直すための108のヒント」 飯泉 恵美子訳、早川書房

 ただ、私にとっては、”Everyday Blessings"(奥さんのマイラさんとの共著で、マインドフルな子育てためのヒントが満載です)と "WHEREVER YOU GO, THERE YOU ARE" (日常生活でマインドフルネスを実践していくための本)がとてもすばらしいので、つたないながらも自分で訳しながら、少しずつ紹介してゆきたいと思います。
 それから、バイロン・ケイティのワーク、エックハルト・トールの著書をはじめとして、興味のあることや、日々の生活のなかで感じたことなども、書いてゆきたいと思います。
# by suna-tuki-mori | 2009-01-11 14:42