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Intimacy with yourself   アジャシャンティ的な何か。

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~Radio Adyashanti と オンラインコースの感想を中心に~

2012年とエックハルト(2)

(前回からのつづき)
 それからエックハルトは少々唐突に数年前見たというSF映画の話を始めます。その映画の中では現在のある都市に、未来からタイムトラベラーがやってくるそうです。未来からきたということがばれてしまったその人は、何をしにきたのかと問い詰められて、その場所で数日後に大災害が起こって大勢の犠牲者が出ることになっているので、それをただ見物したくて来たのだと告白するのです。パニックに陥った人々は、そのタイムトラベラーに「その災害をどうにかして防いでくれ」と頼むのですが、彼は「それは不可能だ」と断ります。「お前はそれで平気なのか? 俺たちを救うために何かしようとは思わないのか」と問われ、彼は言ったそうです。
「そんなこと、思いませんよ。だってあなた方、もうとっくに死んでいるんですから」
「私がなぜこんな話をするのか、って思っていますか?」エックハルトは自問するように言って、笑います。「なぜなら、形としての命(The life of form)はあまりにも短命で、はかなく、束の間なので、もしかしたら自分を既に死んでいるものと考えるといいかもしれないと思うからです」
「ネガティブな考えでしょうか? そうですね、たぶん、思考にとっては。私は何かの儀式のようなことを言ってるんじゃありませんよ。形としての命に執着することから自由になるための、内的な心構え(Inner attitude)として提案しているのです」
「あなたがもう死んでいるとしたら、人生に起こる出来事をJudge する必要がなくなります。それは大いなる解放です。反応(reaction)と判断(judgement)を通して生きていた人格の部分のあなたが死ぬのです」
私はもう死んでいる? ちょっとばかり無理に思える提案ですが、エックハルトはこれをどんな話につなげようとしているのでしょうか。
(つづく・・・・・たぶん)
by suna-tuki-mori | 2010-09-13 00:01 | エックハルト・トール